3分の1ルールとは?食品ロス問題の現状と、解決のためにできること

スーパーで買い物をする時、「賞味期限」に注目してしまうことも多くあるでしょう。

しかしこの「賞味期限」の裏で、多くの食品ロスが生まれています。

食品ロスを生み出している要因としては「3分の1ルール」というものが根本にあるのです。

この記事では、「3分の1ルール」について、食品ロスを生み出してしまう仕組みやその日本の現状について解説します。

 

3分の1ルールとは?

3分の1ルールとは、食品の流通において、賞味期限がある程度しっかり確保された商品を店頭に並べるために策定されたものです。

法律ではなく、食品メーカーや卸売業者と、その食品を実際に販売するスーパーや百貨店などの小売店の間で決められた商習慣になります。

食品が製造された日から、その食品の賞味期限までの期間をきっちり3等分し、

  • 最初の3分の1の期間に、卸売業者は小売店納品しなければならない「納品期限」
  • 次の3分の1の期間は、小売店が商品を店頭に並べておいてもよい「販売期限
  • 最後の3分の1は消費者がその食品をおいしく食べれる期間の「賞味期限」

と3つの期限が定められています。

例えば、製造日から数えて6ヶ月先が賞味期限の食品の場合、最初の2ヶ月以内に卸業者は小売店に納品しなければなりません。

しかし1日でも過ぎてしまうと、小売店から卸売業者を通して食品メーカーに返品されてしまいます。

返品された食品は、ディスカウントストア(ドンキ・ホーテなど)に回されることもありますが、その多くは廃棄されています。

小売店は、その次の2ヶ月間だけ店頭に商品を並べることが許されるということです。

なるほどくん
なるほどくん
賞味期限はまだまだ先なのにたくさんの食品が捨てられているんだ、、

3分の1ルールのメリットとデメリット

メリット

3分の1ルールを適用するメリットは、やはり「新鮮で安全な食品を消費者に届けられる」ということです。

また、小売店であるスーパーやコンビニエンスストアも、出来るだけ賞味期限の長いものを置くことができます。

デメリット

一方デメリットは「大量に食品ロスを生み出してしまう」ということです。

日本では年間でおよそ2842万トンの食糧廃棄が出ています。

この中には野菜の皮など食用にはなりにくいものも含まれています。

しかし一方で、まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」は646万トンにものぼります。

なるほどくん
なるほどくん
そ、そんなに多くの食べものを無駄にしてしまっているんだね…

3分の1ルールによる期限は、こうした食品ロスを流通の過程で増やしているのです。

2020年現在、世界の人口は77億人で、そのうちの8億人が飢餓状態に苦しんでいます

飢餓で苦しむ人々を助けるために、世界で支給されてる食糧援助量は年間約320万トンです。

日本だけで、世界中の食料援助量の約2倍の量の食品ロスを出しています。

先進国としてこれは重く受け止めるべき事実でしょう。

なるほどくん
なるほどくん
日本の食品ロスで、どれだけの飢餓の人たちを助けられるんだろう

▼「飢餓」に関するコラムはこちらを参考にしてみてください

飢餓の現状を知ろう!アフリカやアジア、そして日本の飢餓

3分の1ルールが引き起こす食品ロスの現状

2017年度、卸売業者からメーカーに返品された食品は総額にすると562億円分となります。

返品された食品のうち、2割はディスカウントストアに転売されましたが、8割にあたる450億円分の食品は廃棄されました。

もし仮に、最初の納品期限を3分の1から2分の1に期間と伸ばした場合、87億円分の廃棄を防げることが明らかとなっています。

なるほどくん
なるほどくん
なるほど!
少しの違いでも、こんなにも多くの食べ物を救うことができるんだね!

また、日本人は特に賞味期限を気にすると言われています。

そのため小売店は1日でも新しい商品の入荷を求められ、商品の輸送回数もその分増えます。

賞味期限の表記を、「年月日」から「年月」に変えるだけで、食品輸送による二酸化炭素排出量が年間で170トンも削減できると見込まれています。

食品ロスの問題は、環境への負荷にも関係しているのです。

なるほどくん
なるほどくん
期限を少し伸ばすだけで食品ロスも環境負荷も減らせるね

▼「二酸化炭素排出量」に関するコラムはこちらを参考にしてみてください

温室効果ガスの排出量 | 世界における日本の現状から対策を考えよう!

食品ロスを減らすために私たちにできること

「食品ロス」が先進国における大きな課題とされた2011年、農林水産省が主導で「食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム」が発ちあげられました。

大手食品スーパーを始め小売業者において、3分の1ルールの緩和の取り組みは拡大しています。

実は欧米にも同じようなルールがあります。

しかしアメリカの納品期限は「2分の1」欧州では「3分の2」が一般的であり、日本は特に見直しを急ぐべきだと言えるでしょう。

なるほどくん
なるほどくん
なるほど!
逆に、消費者である僕たちはどんなことができるんだろう…?

まず1番大事なのは、「賞味期限と消費期限の違いを理解し、賞味期限にこだわりすぎないこと」です。

消費期限は「安全に食べられる期限」ですが、賞味期限は「おいしく食べられる期限」のことです。

よって、賞味期限までに食べないと危険ということはありません。

スーパーで買い物をする時には、手前に並んでいる商品を積極的に買うようにしましょう。

他にも、賞味期限間近の商品を安く買うことができるサイトを使うなどして、食品ロスを減らすことに貢献できます。

なるほどくん
なるほどくん
賞味期限がきれてもすぐに捨てる必要はないんだ

3分の1ルールを理解し、食品ロス問題から食べ物を救おう

3分の1ルールによって、納品が過ぎたことで年間450億円分の食品ロスが生まれている現状。

それらの食品ロスは全てまだ食べられるものです。

まずは、賞味期限にこだわりすぎない消費活動から始めてみませんか。

なるほどくん
なるほどくん
なるほど!
少しの心がけで救える食べ物がこんなにたくさんあるんだね。

「なるほどSDGs」では、SDGsの各ターゲットについてや、関連する現代の日本に起きている社会問題を取り上げて解説しています。

現状を知り、できることから実践していきましょう。

【参考】

朝日新聞

農林水産省

▼「食品ロス」に関連するSDGs12の記事はこちらから

SDGs 12「つくる責任つかう責任」

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