近年、世界では地球温暖化や気候変動問題の解決のためにエネルギー消費の在り方が見直されています。
現在、温室効果ガスを排出しない自然エネルギーを用いた発電の普及が進んでいます。しかし、まだまだ燃やした時に温室効果ガスを排出する石油や石炭といわれる化石燃料を使い発電を行っているのが現状です。
そこで、日本の主要電力の1つである石炭火力発電について知り、エネルギーの在り方について考えてみませんか?
今回は、石炭火力発電のメリットやデメリット、石炭火力発電に関する話題のニュースについて紹介していきます!
Contents
石炭火力発電とは?

石炭火力発電は、粉砕した石炭をボイラーで燃やして水を熱し、蒸気を発生させ、蒸気の熱で発電機を回して発電します。
世界中の電気の約40%が石炭によって発電されており、中国やインドでは全体の発電量の70%以上の割合を占めています。
地球温暖化や気候変動問題の解決のために温室効果ガスの削減の動きが進み、再生可能エネルギーの普及が広がっていますが、石炭火力発電は、まだまだ主力の発電方法の1つになっているのです。

石炭火力発電のメリット
石炭火力発電のメリット①効率的に発電ができる

石炭火力発電は、日本の電源構成の25.1%(2017年)を占めています。
その大きな要因は、発電コストが低く効率的に発電ができるからです。石炭火力発電の価格は1kWh当たり、12.3円です。他の火力発電で使われる燃料であるLNG(液化天然ガス)は13.7円、石油は30円~40円となっています。

石炭火力発電のメリット②燃料を安定して調達できる

石炭火力発電の燃料である石炭は、他の燃料に比べて安定して調達をすることができます。
石炭は、可採年数(燃料を採る事ができる年数)が約150年と言われています。そのため、私たちが生きている間に枯渇することはないでしょう。
また、中東に埋蔵地が集中しており値段の変動が大きい石油と違い、石炭はオーストラリアや東南アジア、北アメリカなどに埋蔵地が分散しているため値段の変動が少なくなっています。
この2つのメリットから、石炭火力発電は日本の主な発電方法の1つになっているのです。

石炭火力発電のデメリット
石炭火力発電のデメリット①環境汚染物質を排出する

石炭を燃やすと、硫黄酸化物、窒素酸化物、はいじんといった大気を汚染する物質が発生します。
これらの物質は、自動車の排気ガスなどにも含まれている、ぜん息や酸性雨などの原因となる大気汚染物質です。
最新の石炭火力発電所は、煙突から出る煙もきれいになっており、日本は海外の石炭火力発電に比べて汚染物質の排出量は少なくなっています。
しかし、「塵も積もれば山となる」ということわざがあるように、たくさんの石炭火力発電が稼働していれば、それだけ大気汚染物質は発生し、私たちの身体に影響を与える可能性が大きくなります。

石炭火力発電のデメリット②発電過程で環境負荷が大きい

火力発電は化石燃料を燃やすためCO2を排出しますが、なかでも石炭火力発電は最もCO2の排出量が多い発電方法です。
火力発電の1つであるLNG火力発電に比べて、石炭火力発電は2倍以上のCO2を排出します。日本の石炭火力発電は海外の石炭火力発電と比べてCO2の排出量が少なくなっていますが、まだまだ環境負荷が大きいのです。
CO2は、地球温暖化を促進する温室効果ガスの1つであり、地球温暖化や気候変動問題を食い止めるために世界中で削減が求められています。そのため、石炭火力発電にお金を出さないという金融機関も増え、世界的に新設が困難になっています。

もちろん、世界では地球温暖化や気候変動問題の解決のために石炭火力発電は減っています。
しかし最近、石炭火力発電に関するビッグニュースが報道されたんです。
石炭火力発電が日本からベトナムに輸出される!?

2020年12月29日、三菱商事がベトナムで計画している石炭火力発電所計画事業に対して、国際協力銀行などが17億6700万ドルの融資を行うという報道が出されました。この事業は日本の3大メガバンクなども参加し、日本とベトナム両政府が協力して行う国策案件です。
気候変動問題を解決するために、世界中では2050年までにCO2排出量をゼロにしようとしています。にも関わらず、CO2の排出量が他の発電方法と比べて圧倒的に多い石炭火力発電を拡大させようとしているのです。

誰もが住みやすい地球で暮らすために、地球温暖化や気候変動問題を解決しなくてはいけません。しかし、企業は利益を追求しなくてはならないし、今回の計画には何か複雑な事情や企業なりの正義があるかもしれません。
だからこそ、学生たちは怒りに身をまかせるのではなく、企業側と対話するために、三菱商事・国際協力銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行に公開質問状を送りました。

今後の動きは「#石炭火力発電を輸出するって本当ですか」のハッシュタグや、それについてのnoteでお知らせや返答についての続報が出るそうなので、ぜひチェックしてみてください。

クリーンなエネルギーで気候変動を抑止しよう!

今回は「石炭火力発電」について紹介してきました。
私たちは、まだ石炭火力発電を使って生活していますが、地球温暖化や気候変動問題の解決のためにどんどん「自然エネルギー」での発電に切り替わっていくでしょう。
石炭火力発電は二酸化炭素を多く排出するため、近い未来は、電力需要が高まる時期限定で使うなど賢い使い方が求められそうです。
石炭火力発電のメリット・デメリットを知ったあなたはどのような行動を起こしますか?
地球温暖化や気候変動問題の解決のための1歩が踏み出せるかもしれません。
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【出典】
資源エネルギー庁資料 , 北海道電力 , World Energy outlook 2016 , OECD.StatExtract