移民問題とSDGs!日本と欧米の現状、解決策は?

世界にはたくさんの人がいますが、生まれた国や地域を離れ移動する人「移民」がいます。

移民を受け入れることによって国の労働力が増えるなどのメリットはありますが、移民が増えすぎることによる問題も起こっています。

そのため、移民を受け入れることによるメリット・デメリットを踏まえながら、国の政策をつくり、共生していかなくてはなりません。

そこで今回は、移民問題の詳細や解決策について紹介します。

なるほどくん
なるほどくん

ぼくと一緒に移民問題について学んでみよう!

移民とは?

国連経済社会局によると、移民は正式な法定義はありませんが、「移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々」とされています。

「移民」と区别をつけにくいのが「難民」です。

「移民」は居住地を離れ、移動したあらゆる人を指します。その中でも、戦争など、やむを得ない理由で移動を強制させられた人が「難民」です。

移民が発生する主な理由は、求職や貧困です。

自国でお金を稼ぐことが難しく生きづらいため、他国に移動して手に職をつけ、貧困から脱しようとしているのです。

なるほどくん
なるほどくん

生きづらさから移民という選択をするんだね

移民問題とSDGs

移民問題は、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」で4つのターゲットが定められています。

これらのターゲットを通して、
・不平等な賃金や社会保障制度
・危険な移動

などの課題を解消し、移民の安全や経済活動を支えることを目的としています。

10-1
2030年までに、各国の所得下位40%の所得成⻑率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。

10-4
税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。

10-7
計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。

10-c
2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。

▼SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」について詳しく学んでみよう

なるほどくん
なるほどくん

移民問題を解決するためには様々な対策が必要なんだね

移民問題 | 日本の現状

日本にはたくさんの外国人が住んでおり、移民の受け入れに積極的と思われていますが、実は移民の受け入れをほとんど行っておりません。

日本にいる外国人は「外国人労働者(在留外国人)」であり、「移民」とは区別されています。

日本政府が示す「移民」とは国籍取得を前提とするものです。
日本は労働力を確保するために「外国人労働者」を受け入れ、短期的な移住における在留資格を認めています。そのため、長く日本に住んで働いている外国人の方は、就労ビザの更新を行っているのです。

なるほどくん
なるほどくん

日本には外国人がたくさんいるから「移民」と「外国人労働者」の区別がしにくいね

政府は移民政策をとらない姿勢を国会で表明しており、外国人労働者に関する様々な法律を定めています。

外国人労働者を雇用するためには雇用手続きや入国管理法などについて理解し、適切な手順を踏んで雇用しなければいけません。そのため、雇い主の知識不足や受け入れ体制の不備から外国人労働者に対する問題も起こっています。

外国人労働者問題として取り上げられるのは、
・長時間労働
・賃金未払い
・差別やいじめ

などがあり、外国人労働者が苦しめられています。

なるほどくん
なるほどくん

日本国籍を持っている移民ではないから問題がたくさんあるんだね

移民問題 | 欧米の現状

欧米では、第二次世界大戦後から、国内の労働力を補うために多くの移民が受け入れられてきました。アメリカでは2020年時点で5100万人の移民がいます。

しかし、増えすぎた移民により引き起こされた問題によって、欧米では移民の受け入れに反対する動きが起こっています。

例えば、アメリカでは、不法移民をなくすために、メキシコとの国境を隔てる壁の建設が進められています。

また、ハンガリーでは、不法入国を阻止するためにセルビアとの国境に鉄条網が設置されました。

なるほどくん
なるほどくん

移民が増えすぎると対立が生まれてしまうんだね

欧米の移民問題として取り上げられるものの一部を紹介します。

宗教や言語の違いから引き起こされる問題

移民を多く受け入れたことにより、欧米は宗教・言語の違う人たちが混じりあっています。

そのため、文化の違いによって生活の仕方が異なるなどといった理由から対立が起こっています。

例えば、イスラム教には1日5回の礼拝や断食などがあります。欧米に多いキリスト教の人たちが、イスラム教の生活様式をに合わせることは非常に難しいのです。

雇用問題

近年、移民によって先住する国民たちの雇用機会が奪われたとの認識が強くなっています。

例えば、ドイツは経済力が高く賃金も高いため、移民や他国からの労働者が殺到し、ドイツ国民の雇用が奪われてしまっていることが現状です。

EUでは、EU域内を自由に移動できるルールがあるため、先進国に移民が集まりやすくなっています。

なるほどくん
なるほどくん

多様な文化があることにも弊害があるんだね

移民問題の解決策

移民問題の解決のためには、格差をなくし、平等な社会を実現することが必要です。

世界的な所得格差をなくす

先進国と発展途上国では大きな所得格差があります。

また、最も豊かな資産家62人の総資産額は、世界人口の半分である35億人の総所得と同等であるとされ、貧富の二極化が起こっています。

所得格差が埋まらなければ、労働・生活のために先進国の移民になるという選択肢はなくならないでしょう。

なるほどくん
なるほどくん

平等な社会に近づくといいな

フェアトレード

フェアトレードとは、公正な価格で継続的に取引をすることで、生産者や労働者を支援することができる仕組みのことを指します。

通常、貿易は適切な価格で行われなければなりません。しかし、途上国からの輸出は適正価格での取引が行われなわれていないことが多く、途上国で作られた原料や製品を先進国が安く買いとっている現状があるのです。

これでは、途上国の人たちは十分な収入を得ることができず、所得格差が広がってしまいます。

収入を得ることができないので、移民として出稼ぎに行くことも珍しくありません。

公正な貿易が行われることにより、国の経済を成長させること・十分な収入を得ることに繋がり、移民という選択肢を取らなくても生活をすることができるのです。

▼フェアトレードについて詳しく学んでみよう

なるほどくん
なるほどくん

誰かが損する社会は嫌だね。フェアトレードがしっかりと行われるといいな

移民問題を解決して人や国の不平等をなくそう

今回は、移民問題の詳細や解決策について紹介してきました。

みなさんも、移民問題について知ることで、どのように移民と接するのか、共生していくのかを考えるきっかけになったのではないでしょうか。

それが、誰も取り残さない豊かな社会をつくることに繋がるはずです。

「なるほどSDGs」では、SDGsを身近に感じられるような記事を掲載しています。ぜひ、他の記事もチェックしてみてください。

参考:国際広報センター衆議院Global Note

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ABOUTこの記事をかいた人

「環境問題を自分ごと化するきっかけをつくる」をモットーに発信活動をしています。環境イベントの運営もしています。「地球のためにできるアクションを1人でも多くの人にしていただきたい」という想いで記事を書いています!