日常生活を送っていると、どうしても出てしまうゴミ。
「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、私たちが出しているゴミを集めると膨大な量になり、社会問題にもなっています。
ゴミ問題の解決は持続可能な社会をつくるために不可欠であり、国や地域だけではなく私たち1人1人が取り組みを行うことも大切です。
ゴミ問題について知り、自分ができることを始めてみましょう。
一緒にゴミ問題について学んでみよう!
Contents
ゴミ問題の現状は?
ゴミ問題の現状 | 日本
日本全体で1年間に家庭から排出されるゴミの量は、4272万トン。東京ドームに換算すると、約115杯分になります。(出典:環境省)
この数字は家庭から出される一般廃棄物のみの量であるため、産業廃棄物も加えれば、日本ではさらにゴミを排出していることになります。
たくさんのゴミが排出されているんだね…
日本におけるゴミ処分の裏側
ゴミは、リサイクルされるゴミとリサイクルできないゴミに分けられます。
リサイクルできるゴミは、工場に運ばれて新たなものへと生まれ変わります。
リサイクルできないゴミは、埋め立てをするために最終処分場に運ばれます。ここに運ばれてくるゴミは約400万トンになります。
90%もリサイクルされるんだ!すごい!
なるほどくんと同じように思った人はいませんか?実は、違うんです。
最終処分場にゴミを運び込む前に、焼却工場でゴミを燃やし体積を大きく減らしています。
これは、日本は国土が狭く、最終処分場を多く確保することができないからです。今ある最終処分場は、約20年で満杯になると言われています。そのため、燃やすことでゴミの体積を減らし、少しでも最終処分場が長く使えるようにしています。
400万トンという数字はゴミを燃やした後の数字なので、実際はもっと多くのゴミがリサイクルをされずに処理されているのです。
日本では焼却処分が主流なので、ゴミを燃やす際に発生する二酸化炭素の排出も大きな問題になっています。
二酸化炭素の排出は地球温暖化に影響を与えてしまうよね
ゴミ問題の現状 | 世界
ゴミ問題はどの国でも頭を悩ます問題です。特に、開発途上国や新興国では、ごみ問題によって他の問題が発生しています。
開発途上国では、管理がずさんなためにごみが大量に捨てられているところが多いです。ゴミの収集が行われず、各自で道ばたなどに捨てられたままになっている地域も多くあります。
このことから、ゴミによる異臭や衛生面で大きな問題になっています。
ゴミが放置されているのは深刻な問題だね
新興国では、急激な発展により大量のゴミが発生する一方で、ゴミの処理が追いついていないために、ゴミの山ができている地域があります。このような国のごみには、プラスチックなど自然に分解されないゴミも多く含まれます。
放置していると有害物質が発生したり、火事になったりすることもあります。また、有害物質が川や地下水などに混じると公害問題に繋がる場合もあります。
発展途上国や新興国のごみ問題の解決に日本をはじめとする先進国も動いていますが、自国の対策だけでは通用していないのが現状です。
ごみ問題を解決するためには、調査を行い、その国の事情に合わせた対策をとることが必要とされています。
ゴミ問題は様々な問題を引き起こしているから解決したいね
ゴミ問題の原因
どうして世界ではゴミ問題に悩まされているのでしょうか?
それは、様々な技術が発展し便利な時代になったからです。
技術の発展により、過剰包装、使い捨て商品の増加、モノを安価に入手できるようになるなどの便利さが私たちにもたらされました。
便利さによって私たちは、モノを大切にしなくなったり、たくさんモノを買うようになったり、すぐにモノを買い替えたりするようになりました。
モノが溢れるようになり、それに伴って必然的にゴミも発生するようになりました。
便利な時代だけどモノを大切にしてゴミを減らしていきたいね
ゴミ問題を解決するための対策は?
日本ではゴミ問題の顕在化に伴い、さまざまな法律が制定されています。
循環型社会形成推進基本法
循環型社会とは、「天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」のことです。国や地方公共団体、事業者がゴミ問題や環境負荷の低減への取り組みを進めるにあたっての基本原則などが規定されています。
廃棄物処理法
ゴミの排出を抑制し、適切な処理方法を定め、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的としています。
私たちはたくさんのゴミを出していますが、この法律のおかげでゴミ問題が原因となって発生する新たな問題の抑制に繋がっています。
資源有効活用促進法
循環型社会を形成していくために必要な3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを推進することを目的としています。
事業者に対しては、3Rの取り組みが必要となる業種・品目を指定して、製造段階における3R対策、設計段階における3Rの配慮、分別回収のための識別表示、リサイクルシステムの構築などを規定しています。
この法律のおかけで、たくさんのものがリサイクルされるようになったり、再利用できるようになりました。
他にも、製品の特性に合わせて家電リサイクル法、容器包装リサイクル法などの法律があり3Rが推進されています。
日本は深刻なゴミ問題に悩まされてきました。そのため、紹介した法律などによる循環型社会の形成や3Rの推進などにより、2000年と比べ、資源生産性は約6割向上し、最終処分廃棄量は約7割の削減を達成しています。
ぼくたちはたくさんの決まりによって快適に暮らせているんだね
ゴミ問題に対して私たちができること
ゴミ問題の解決のために様々な法律が制定されていますが、ゴミ自体をもっと減らしていかなければゴミ問題を解決することはできません。
私たち1人1人の意識で少しずつゴミを減らしていくことができます。自分ができることをやってみましょう。
3Rを意識する
3RはReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称です。循環型社会を実現するための重要なキーワードになっています。
Reduce…使用する資源の量を減らしたり、ごみの発生自体を減少させること
例:プラスチック製品の使用を減らすこと、割り箸をもらわないこと、マイバッグを持ち歩くこと、など
Reuse…一度使用した製品やその部品を何度も繰り返して使用すること
例:マイボトルを持ち歩くこと、詰め替えで繰り返し使える製品を選ぶこと、服を清潔に保ち長く着続けること、など
Recycle…ごみを原材料やエネルギー資源として再生利用すること
例:ゴミを決まりに沿って分別して出すこと、再生紙・再生プラスチック商品を使用すること、など
必要なものだけ買う
無駄な買い物をしないことでごみを減らすことができます。
買い物する際は、本当に必要なものかどうか考えて購入してみてください。不要なものを買うと、使えるのに捨てるものが増えてしまいます。また同様に、買いすぎにも気をつけましょう。
食品ロスを減らす
食品ロスとは、本来食べられるものなのに捨てられてしまう食品のことです。食べ残しや、売れ残りの廃棄などが食品ロスとして当てはまります。
食品ロス問題もゴミ問題を考える上では切っても切ることができない問題です
日本の年間の食品ロスの量は612万t(農林水産省・平成29年度)になっています。1日に換算すると、1人当たりお茶碗一杯分のご飯と同量の食べ物を捨てています。
私たちにできることは、食べられる量だけ注文すること、まとめ買いをしないこと、残っている食材から調理することなどがあげられます。
▼食品ロスについて詳しく知りたい人はコラムを読んでみよう
今日からできることばかりだね!やってみよう!
ゴミ問題を解決して持続可能な世界をみんなでつくっていこう!
今回は、ゴミ問題についてや私たちができるゴミ問題への取り組みを紹介してきました。
私たちの周りではたくさんのゴミが出ています。持続可能な社会をつくるため、ゴミを減らすことに取り組んでみましょう。
できることはたくさんあり、小さな積み重ねがゴミ問題を解決するための第一歩です。「なるほどSDGs」では、SDGsに身近に感じられるような記事を掲載しています。ぜひ、他の記事もチェックしてみてください。
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