近年、恵方巻きの大量廃棄問題が報道され、注目されることになった「食品ロス」問題。
みなさんは食べ物を粗末にしていないでしょうか?
食べ物は美味しく楽しく食べることが大切ですが、それ以上に食べ物を作ってくれた方々に感謝して残さず食べることが大切です。
実は、世界中でせっかく作った食べ物を捨ててしまう食品ロスが大きな問題になっており、SDGsでも解決しなければならない問題の1つとして挙げられています。
今回は、食品ロスの現状や食品ロス削減に向けて私たちができることを紹介します!
Contents
食品ロスとは?
「食品ロス」とは、本来食べられるものなのに捨てられてしまう食品のことです。食べ残しや、売れ残りの廃棄などが食品ロスとして想像すると思いますが、製造過程で発生する規格外商品や調理くずの廃棄なども食品ロスに該当します。
食品ロスが問題となっている背景には、食品ロスの処理において、燃やす過程で温室効果ガスが排出されて環境に負荷を与えることや、処理費用がかかり経済な損失も大きいことなどがあげられます。
食品ロスの原因とは?
食品ロスの原因はたくさんありますが、私たちが身近に感じる原因は「外観品質基準」による廃棄でしょう。私たちがスーパーで買う食材は、形の良いものばかりで、選ばれたものだけが並んでいるのです。
生産段階で形が悪かったもの、流通段階で少しでも傷がついてしまったもの、加工段階でパッケージに印刷ミスなどがあったものなどは、美味しく食べられるものでも廃棄されてしまいます。
道の駅や農協に行くと、規格外商品として売られていることがありますが、通常は廃棄されてしまうが現状で、たくさんの食べられるはずだった食品が捨てられています。
また、家庭内での食品ロスは、農林水産省の調査によると、
- 消費・賞味期限内に食べられなかった
- 購入後、冷蔵庫など保管場所に入れたまま放置してしまった
- 必要以上に買い過ぎてしまった
などが上位の原因として挙げられています。
▼生産された3割の野菜は規格外で捨てられる!?「規格外商品」についてのコラムはこちら!
食品ロスの現状
食品ロスの現状 | 世界
FAO(国際連合食料農業機関)によると、世界中で毎年13億トンの食料が廃棄されています。これは食料生産量の3分の1にあたります。主に先進国が食品ロスを出しており、中国、米国、日本がトップ3となっています。先進国の中でも、ヨーロッパ諸国では、廃棄予定の食品を利用したレストランなどが広まりつつあり、食品ロス量が少なくなってきています。
発展途上国でも食品ロスは出ていますが、先進国とは事情が異なります。発展途上国では、食べ物を作っても、保存設備がないことやインフラが整っていないため、人々の手に届く前に腐ってしまうことが主な原因です。
食品ロスの現状 | 日本
日本の年間の食品ロスの量は612万t(農林水産省・平成29年度)になっています。1日に換算すると、1人当たりお茶碗一杯分のご飯と同量の食べ物を捨てています。
食品ロスは大きく2つに分類することができます。
- 事業活動(食品製造業、外食産業など)に伴って発生する「事業系食品ロス」
- 家庭から発生する「家庭系食品ロス」
そして食品ロス612万tの内訳は、事業系食品ロスが328万t、家庭系食品ロスが284万tです。
事業活動が多くの食品ロスを出していますが、食品ロス問題が近年問題視されている背景には、私たちの身近な家庭でたくさんの食品ロスを出していることも大きな要因です。
食品ロス削減のためにできること
私たちが食品ロス削減のためにできることを2つ紹介します。
今回紹介すること以外にもできることはたくさんあるので、気づいたことは周りの友人やSNSで紹介してみんなでできることを増やしていきましょう!
食品ロス削減のためにできること①買い物の仕方
買い物に行く前に、冷蔵庫のチェックをしましょう。
まだ残っている食材を重ねて買ってしまうことがなくなったり、その時に買わなければいけない量を把握できるので、買い過ぎの防止になります。
買い物に行くときは以下の2つを気を付けてみましょう。
①まとめ買いをしない
食べきれず、いつの間にか賞味期限切れになってしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。購入の際は、使いきれる量の食材のみにして、食品ロス0を目指しましょう。
特に最近では新型コロナのウイルスの緊急事態宣言の際に、まとめ買いが横行していました。しかし食品ロスをなくすには、一人一人が必要分を意識して買い物をすることが大切です。
②手前の食材から取る
スーパーでは、賞味期限や消費期限が短いものが前に、長いものが奥に置かれています。食材の利用予定を踏まえて、なるべく手前の商品を取ることを心がけましょう。
食品ロス削減のためにできること②料理の仕方
料理の際には以下の3つに気を付けてみましょう。
①残っている食材から使う
元々冷蔵庫に残っている食材や賞味期限が近い商品を使うを使うことで食品ロスを0にすることができます。
②食べきれる分を作る
作りすぎてせっかく作った料理を捨てるのはもったいないですよね。自分や家族が食べきれる量を計算して作ることを心がけましょう。またどうしても食べきれない場合は、冷凍して後日食べられるようにするなど、食品ロスを無くす工夫をしてみましょう。
③1つの食材のバリエーションを増やす
バリエーションを増やすことで、1つの食材を余らせずに使いきることができます。最近では、InstagramやYouTubeでたくさんのレシピや料理動画が掲載されているので楽しく学んでみましょう。
食品ロスを削減するためにできることをはじめよう!
今回は、食品ロスについてや私たちができる食品ロス削減のための取り組みを紹介してきました。
せっかく食べることができる食品を粗末にすることはとてももったいないです。
まずは、自分の生活を見直して、家庭の食品ロス0を目指してみましょう。
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