世界のSDGs取り組み事例は?近年スコアを伸ばした3ヵ国から学ぼう

みなさんはSDGs達成のために何かできることをしていますか?

世界に目を向けてみると、多くの国でSDGsの達成ために様々な取り組みが行われています。

そこで今回は、世界のなかでも、特に近年SDGsの達成度を向上させている3カ国の取り組みをさせていただきます。

各国のアクションから、自分ができることを一緒に考えてみましょう。

なるほどくん
なるほどくん

いろんな取り組みを学んでいきたいね

世界各国のSDGsの達成度

2021年6月14日、最新のSDGsの達成・進捗状況を報告した『Sustainable Development Report 2021』が公開されました。

なかでも、ベルギー・スロベニア・ポーランドの3ヵ国は、昨年と比較して特にスコアが伸びた国になります。

▼2020年と比較して2021年のスコアが伸びていた国
・5位:ベルギー(82.19)(2020年:11位 / 79.96)
・9位:スロベニア(81.60)(2020年:12位 / 79.80)
・15位:ポーランド(80.22)(2020年:23位 / 78.10)

※表記の見方
順位:国名(2021年のスコア)(2020年の順位 / 2020年のスコア)

この3ヵ国がスコアを伸ばした背景を各国のSDGsへの取り組みから紐解いてみましょう。

▼ 2021年におけるその他の国別SDGs達成度もみてみよう

なるほどくん
なるほどくん

3ヵ国ともSDGsの達成に向けて頑張っているんだね!

『Sustainable Development Report 』の指標

『Sustainable Development Report 』の国別レポートでは、SDGsの達成度と動向が一目でわかるように示されています。

達成度
○ SDG achieved(達成)
○ Challenges remain(課題は残る)
○ Significant challenges(重要課題)
○ Major challenges (最重要課題)

動向
↑On track or maintaining SDG achievement(順調・達成を維持)
↗Moderately improving(適度に改善)
→Stagnating (停滞)
↓ Decreasing(悪化)

なるほどくん
なるほどくん

近年スコアを向上させた3ヵ国の達成度と動向はどんな結果だったんだろう?

SDGsへの取り組み:ベルギー

ベルギーは、『Sustainable Development Report 2021』の国別データにおいて、目標1「貧困をなくそう」で、最高評価である「達成」を獲得しました。

そして2020年と比べて、目標8「働きがいも経済成長も」と目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」が「重要課題」から「課題は残る」に、目標14「海の豊かさを守ろう」が「最重要課題」から「重要課題」になりました。

また、目標1「貧困をなくそう」・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」・目標8「働きがいも経済成長も」・目標10「人や国の不平等をなくそう」・目標15「陸の豊かさも守ろう」は、「↑順調・達成を維持」の動向評価であり、積極的に取り組みが行われているようです。

持続可能な農業に向けた協力プラットフォーム「Spotlight」

ベルギーの企業組織であるSAIプラットフォームは、ツールやガイダンスを開発し、持続可能な食料調達や農業活動を支援しています。

様々なツールの1つに、持続可能な農業に向けた企業間の協力関係を促進する「Spotlight」が近年注目されています。このツールでは、飲食品製造小売企業、食品サービス企業、農業ビジネス企業などの加盟企業間の協力関係が生み出されています。

加盟企業は、持続可能性の「トピック」(例えば気候変動など)においてどのような役割を果たしていきたいかや、持続可能性のトピックに関する自社の課題などをSpotlight内で記入します。

記入情報を元に、企業は同じ志を持つ企業と協力関係を築くことができ、全体としても課題に取り組んでいく企業を増やしていくことに繋がっているのです。

この取り組みによって、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」から派生し、様々な目標の解決が期待されています。

なるほどくん
なるほどくん

みんなが協力すればSDGsの目標達成により速く近づけるね!

SDGsへの取り組み:スロベニア

スロベニアは、『Sustainable Development Report 2021』の国別データにおいて、目標8「働き買いも経済成長も」で、最高評価である「達成」を初めて獲得しました。

そして2020年と比べて、目標14「海の豊かさを守ろう」が「最重要課題」から「重要課題」になりました。

また、目標1「貧困をなくそう」・目標8「働きがいも経済成長も」・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」・目標11「住み続けられるまちづくりを」・目標15「陸の豊かさも守ろう」・目標16「平和と公正をすべての人に」は、「↑順調・達成を維持」の動向評価であり、積極的に取り組みが行われているようです。

持続可能な航行と海の利用「IHO能力構築プログラム」

スロベニアは、二酸化炭素の排出削減目標を達成するために、輸送部分での取り組みをが必要と考えています。その中で、目標14「海の豊かさを守ろう」を優先事項として取り組みを進めています。

IHO能力構築プログラムは、適切な水路や航海経路を提供し、適切な利益を得られるようなアドバイスをするサービスです。

このサービスによって、海上輸送や海上災害管理をサポートすると共に、海洋資源や漁業の保護にも繋がります。

持続可能な海の管理をすることによって、漁業・養殖業・観光業が発展すると共に、小さな島国が継続的な利益を生み出し続けることができることが期待されています。

▼海を守るためにプラスチックごみ問題についても学んでみよう

なるほどくん
なるほどくん

海の資源を守ることもSDGsの達成に繋がるね!

SDGsへの取り組み:ポーランド

ポーランドは、『Sustainable Development Report 2021』の国別データにおいて、達成度の変化はありませんが、昨年度の23位から大きく順位を上げ15位となり、各目標で少しずつスコアを伸ばしたことがわかります。

また、目標1「貧困をなくそう」・目標4「質の高い教育をみんなに」・目標6「安全な水とトイレを世界中に」・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」・目標15「陸の豊かさも守ろう」は、「↑順調・達成を維持」の動向評価であり、積極的に取り組みが行われているようです。

短寿命気候汚染物質の削減「気候・クリーンエア連合(CCAC)」

気候・クリーンエア連合(CCAC)は、「短寿命気候汚染物質(=大気中の滞在時間が短く、地球温暖化と大気汚染の双方に影響を与える物質)を削減するための取り組みを加速するための具体的かつ実質的な行動を達成すること」を約束する政府、民間などのパートナーシップです。

ポーランドは、発足国ではありませんが、積極的に取り組みを行っている国の1つです。

短寿命気候汚染物質と言われているメタン・対流圏オゾンなどは、地球温暖化の原因の1つです。また、生態系や農業に有害な影響もあります。

二酸化炭素の排出削減だけではなく短寿命気候汚染物質の排出削減も行わなければ、気温上昇を抑えることはできないと予想されています。

CCACでは、短寿命気候汚染物質が多い地域で削減プロジェクトや資金提供を行っています。

▼地球温暖化の進行を食い止めるためにパリ協定についても学んでみよう

なるほどくん
なるほどくん

地球温暖化の原因は二酸化炭素だけじゃないんだね…

世界全体でSDGsに取り組み、みんなで達成しよう!

今回は、SDGs達成度ランキングで近年急成長した国の取り組みを紹介してきました。

3ヵ国の取り組みをみると、パートナーシップを活用して取り組みを進めていることがうかがえます。

SDGsの達成のための先進的な取り組みが、他の国でも実践されるといいですね。

まずは、世界で行われている取り組みを参考に、自分ができる行動を考えてみるのはいかがでしょうか?

「なるほどSDGs」では、SDGsを身近に感じられるような記事を掲載しています。ぜひ、他の記事もチェックしてみてください。

▼トップ3国のSDGsの取り組みを学んでみよう

【出典】

ADAS , SDGs knowledge platform , 国際連合海洋会議 | United Nation , CCAC

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ABOUTこの記事をかいた人

「環境問題を自分ごと化するきっかけをつくる」をモットーに発信活動をしています。環境イベントの運営もしています。「地球のためにできるアクションを1人でも多くの人にしていただきたい」という想いで記事を書いています!