国連サミットにてSDGsが採択された2015年から、5年が経ちました。
SDGsは地球に住む全ての人のために、より良い持続可能な未来を築くための計画です。
国連に加盟している193カ国が、2030年までの15年間で達成することを目標としていますが、この5年でどれほどの進歩があったのでしょうか。
SDGsの国別ランキングや、ゴールごとの現状についてまとめたものをご紹介します!
SDGsの達成度 | 国別ランキング2020
2020年のSDGsに対する各国の達成度合いは、「Sustainable Development Report 2020」という報告書にまとめられています。
では、さっそくランキングを見ていきましょう。
※以下、()内には達成度合いを表すスコアを記載しています。
SDGsランキング:1位〜10位
- 1位 スウェーデン (84.72)
- 2位 デンマーク (84.56)
- 3位 フィンランド (83.77)
- 4位 フランス (81.13)
- 5位 ドイツ (80.77)
- 6位 ノルウェー (80.76)
- 7位 オーストリア (80.70)
- 8位 チェコ (80.58)
- 9位 オランダ (80.37)
- 10位 エストニア (80.06)
1位〜10位には北欧諸国が多くランクインしているね。
SDGsランキング:11位〜20位
- 11位 ベルギー (79.96)
- 12位 スロベニア (79.80)
- 13位 イギリス (79.79)
- 14位 アイルランド (79.38)
- 15位 スイス (79.35)
- 16位 ニュージーランド (79.20)
- 17位 日本 (79.17)
- 18位 ベラルーシ (78.76)
- 19位 クロアチア (78.40)
- 20位 韓国 (78.34)
日本は17位という結果になりました。
同じアジア圏の韓国は20位にランクインしています。
依然としてヨーロッパ諸国が占める割合は高い傾向でした。
日本は17位なんだね。これって結果としては良いのかな。
その他のランキング
1位〜20位以外で他の先進国のランキングも見てみましょう。
- 21位 カナダ (78.19)
- 31位 アメリカ (76.43)
- 48位 中国 (73.89)
- 53位 ブラジル (72.67)
- 57位 ロシア (71.92)
- 117位 インド (61.92)
ランキング付けされた全166カ国の中での最下層のランキングとしては、
- 164位 チャド (43.75)
- 165位 南スーダン (43.66)
- 166位 中央アフリカ共和国 (38.54)
となっています。
まだまだ、国によってスコアに大きな開きがあるね。
SDGsの達成度 | ゴールごとの現状は?
Sustainable Development Report 2020で報告されている、各ゴールについての進捗具合を見てみましょう。
今回は、
- 最も努力の必要なゴール
- 大きく進歩したゴール
- 地域により達成度に大きな差があるゴール
の3つについて紹介していきます!
最も努力の必要なゴール
最も進捗が遅れているゴールは、SDGs 2「飢餓をゼロに」とSDGs 15「陸の豊かさも守ろう」です。
SDGs 2「飢餓をゼロに」について
このゴールの進捗が遅れている理由としては、
- 栄養不足に苦しむ人々が増加している
- 肥満や肥満の人々の割合が高まっている
という2側面の原因があります。
国際連合食糧農業機関(FAO)は、新型コロナウイルスの影響により、特に低所得層の食料不安と栄養失調が加速する恐れがあると述べています。
サバクトビバッタの大量発生も食糧難を引き起こしたんだって。
SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」について
地球上、また淡水における生物多様性が急速に失われいる現状があります。
保護地域は増加していますが、多くの国において、生物多様性が失われ、森林破壊が進んでいることが原因です。
土壌の劣化は気候変動にも影響が出てしまうよ。
大きく進歩したゴール
2015年から、最も急速に進展していると報告されているのは、
- SDGs 1「貧困をなくそう」
- SDGs 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
- SDGs 11「住み続けられるまちづくりを」
の3つのゴールです。
SDGs 1「貧困をなくそう」について
極度の貧困にある人の割合は、SDGsが採択された2015年の10%から、8.6%(2018年)へと1.4%減少しています。
ここでの「極度の貧困」とは、1日たった1.25ドル(およそ135円)未満で生活しなければならない状態のことを指します。
2030年には6%にまで減らせると予想されてはいますが、新型コロナウイルスの影響で貧困率は増加する恐れがあると言われています。
コロナウイルスにより職を失ってしまう人も増えているよ。
SDGs 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」について
基本的な交通インフラやインターネットへのアクセスは急速に拡大しています。
世界の人口の 90% が3G以上のモバイルネットワークの範囲内に住んでいると報告されました。
一方で、このゴール9では、上位層と下位層の間に大きなギャップがあります。
コロナウイルスでいろんな産業も打撃を受けたね。
SDGs 11「住み続けられるまちづくりを」について
スラム街に住む都市人口の割合が2000年の28%から2014年には23%に、大幅に減少したという結果があります。
その一方で、新型コロナウイルスは人口密度が高いほど蔓延しやすく、都市部の生活環境を悪化させていると言えます。
急速な都市化は大気汚染などの公害を引き起こす恐れもあるよ。
地域により達成度に大きな差があるゴール
SDGs 6「安全な水とトイレをみんなに」とSDGs 7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、地域ごとの達成度に大きく差があります。
OECD(経済協力開発機構)加盟国や、ラテンアメリカ、カリブ海沿岸諸国などでは整っているものの、サハラ以南のアフリカ、オセアニアは非常に低いスコアとなっています。
新型コロナウイルスはSDGsの進捗にも大きく影響を与えそうだね。
日本のSDGs達成度は?
では日本の達成度について詳しく見ていきましょう。
日本の順位
改めて日本の順位を振り返ると、結果は「17位」。
これまでの過去の順位は、
- 2016年 18位
- 2017年 11位
- 2018年 15位
- 2019年 15位
なので、2017年から徐々に順位が落ち続けています。
スコアとしては、100ポイント中「79.17」ポイント。
ちなみに1位のスウェーデンは、84.72ポイントです。
では次に、このスコアの背景にあるゴールごとの達成度合いを見てみましょう。
なんで順位が落ちているんだろう。。。
ゴールごとの達成度
上の画像は、ゴールごとに、日本がどのくらい達成できているかを色で示したものです。
- 緑は「達成できている」
- 黄色は「課題が残っている」
- オレンジは「重要な課題が残っている」
- 赤は「最も重要な課題が残っている」
を表しています。
なるほど!
- SDGs 4「質の高い教育をみんなに」
- SDGs 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
- SDGs 16「平和と公正をすべての人に」
は達成できているとの評価です。
その一方で、
- SDGs 5「ジェンダー平等を実現しよう」
- SDGs 13「気候変動に具体的な対策を」
- SDGs 14「海の豊かさを守ろう」
- SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」
- SDGs 17「パートナーシップで目標を達成しよう」
の5つについては、最も重要な課題が残っていると評価されています。
日本だけじゃなく、他の国との協同も必要だね。
ゴールごとの取り組みの傾向
次に、ゴールごとの取り組み具合を色で示したものです。
- 緑は「順調であり、達成を維持している」
- 黄色は「適度に向上している」
- オレンジは「停滞している」
- 赤は「悪化している」
を表しています。
以下の4つは停滞もしくは後退しているとの結果です。
- SDGs 5「ジェンダー平等を実現しよう」
- SDGs 10「人や国の不平等をなくそう」
- SDGs 13「気候変動に具体的な対策を」
- SDGs 14「海の豊かさを守ろう」
それぞれのゴールの評価項目にはどんなものがあるの?
SDGs 5「ジェンダー平等を実現しよう」には、
- 結婚している、もしくは家族のいる15歳から49歳の女性の割合
- 国会における女性議員の割合
- 男女の賃金の格差
SDGs 10「人や国の不平等をなくそう」には、
- パルマ比率(所得格差、所得の不平等を表す指標)
- 高齢者の貧困率
SDGs 13「気候変動に具体的な対策を」には、
- エネルギー関連のCO2排出量
- 輸入に伴うCO2排出量
- 化石燃料の輸出に伴うCO2排出量
SDGs 14「海の豊かさを守ろう」には、
- 海洋の生物多様性地域の保護されている面積
- 魚の乱獲量
などが評価項目として設けられています。
他のゴールの評価項目についても、詳しく見てみたいね
SDGsを達成して持続可能な社会をみんなでつくろう!
2020年におけるSDGsランキングにおいて、日本は17位という成績でした。
しかし、
- ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」
- ゴール13「気候変動に具体的な対策を」
- ゴール14「海の豊かさを守ろう」
- ゴール15「陸の豊かさも守ろう」
- ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」
特にこの5つのゴールは、最も重要な課題が残っている領域です。
またSDGsは、自国の達成のみを追うためのものではありません。
すべての人によってより良い未来、持続可能な未来とは何かを考えるきっかけにしてみてください。
なるほどSDGsでは、SDGsの17のゴールそれぞれについて詳しく解説した記事も掲載しています!この機会に改めて読んでみてください!
▼ SDGsウェディングケーキモデルって?
【出典】