プラスチック製品を使わない日はないほど、プラスチックは私たちの生活のあらゆるところに使用されています。
スーパーのレジ袋、ペットボトル、食品トレイ、クレジットカード、合成繊維、文房具まで。数え上げればきりがありません。
しかし、これらのプラスチック製品がゴミとして捨てられた後、海を汚し海洋生物に悪影響を与えてしまっているということをどれだけの人が知っているでしょうか。
この記事を通して、プラスチックの使い方を今一度考え直してみましょう。
Contents
プラスチックゴミが海に与える影響とは?
海に増え続けるプラスチックゴミ
陸にあるプラスチックは雨や風によって、川に入り、海へと流されます。
毎年、海に流されているプラスチックゴミは800万トン。また、2050年には海洋プラスチックゴミが魚の量を上回ると言われています。
さらに、すでに海にたどり着いてしまっているプラスチックゴミは1億5000万トンにも及ぶとの推定もされています。
プラスチックは自然界で分解されることが不可能であり、ゴミとして海に流れてしまうと溜まって行く一方になってしまうのです。
海洋生物への影響
次に、海洋プラスチックゴミが海洋生物に引き起こしている影響です。
海に生息している魚の数がここ40年の間で半分に減少しています。
具体的には、ウミガメやクジラが海を漂流しているビニール袋などのプラスチックゴミを食べてしまい死に至る例が挙げられます。
プラスチック製品の多くは使い捨てが一般的で、大量生産されています。そのため、ゴミとしての総量は今後も必然的に増えていき、海や海洋生物への影響はますます大きくなっていくと言えるでしょう。
そんなにたくさんのプラスチックゴミが海に浮かんでいるんだ
マイクロプラスチックが海に悪影響を与えている
紫外線や海の波に打たれることで5ミリ以下のサイズになったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれています。
この小さなプラスチックの破片を、魚や貝といった海洋生物が食べてしまうことが問題視されています。
マイクロプラスチックが海に及ぼす被害には2種類あります。
科学的な被害
プラスチックに使用されている添加物は有害であり、生物に悪影響を及ぼします。
また、プラスチックは石油から作られるため汚染物質を吸収しやすいという点も危険です。
物理的な被害
海鳥や海洋生物が、プラスチックを誤って飲み込むことで、喉につまらせたり消化器官が傷つけられ栄養失調になってしまいます。
また、マイクロプラスチックは非常に小さいため、プランクトンが取り込み、食物連鎖を通じて体内に蓄積されたプラスチック量は増えていきます。
これらは最終的に、魚を食べる私たちの体内にまでたどりつきます。
今後プラスチックゴミが増えることで、私たちの体への被害も大きくなるかもしれません。
僕たちの体にもプラスチックが蓄積される危険があるんだね
プラスチックゴミが海に及ぼす問題を解決するために私たちにできること
ではこの海洋プラスチックが及ぼす海への悪影響をなくすために私たちには何が出来るでしょうか。
「3R」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
Reduce(減らす)、 Reuse(使い回す)、 Recycle(リサイクルする)の3Rです。
まさにプラスチックにおいて、この「3R」を実践することが問題解決に繋がります。
Reduce | プラスチックの利用を「減らす」
- 買い物にはエコバッグを持参し、レジ袋は使わない
- プラスチック製ストローは避ける
- ペットボトル飲料を減らし、水筒を持ち歩く
- コンビニなどでプラスチックのフォークやスプーンのサービスを断る
Reuse | プラスチックの「使い回し」
- ラップの代わりに保存容器を使う
- 詰め替え用シャンプーを購入し、容器を使い回す
Recycle | プラスチックの「リサイクル」
- 使ったプラスチックは分別する
- 再生プラスチック製品を選んで買う
このように、日常からできることはたくさんあります。
いきなり全部を実践することは難しいですが、取り入れられそうなものから始めてみませんか。
ちょっとした心がけの積み重ねが、海を守っていきます。
身近にできることってたくさん!明日からでもやってみよう
プラスチックゴミを減らし、海の豊かさを守ろう!
プラスチックは海の環境汚染や海洋生物にあらゆる被害を与えている一方、世界ではいまだ年間に3億トンも生産されています。
また、日本のプラスチックのリサイクル率は30%にも届いていません。
10年後、100年後も、たくさんの海洋生物が泳ぐ豊かな海を守っていくため、今から出来る身近なことから始めていきましょう。
なるほどSDGsでは、SDGsの各ターゲットに関連する今の社会問題を取り上げて分かりやすく解説しています。自分の興味のあるものからでもぜひ読んでみて下さい。
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