現在、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を奮っており、感染症がいかに恐ろしいものであるかを、みなさん実感していることと思います。
実は歴史を見ると、人類はこれまで幾度となく感染症と戦ってきており、感染症対策が整っていない昔は、感染拡大で今以上に多くの人が亡くなっていました。
感染症に対する正しい知識を身に付け、感染症予防に努めませんか?
今回は、
- 感染症の分類
- 感染症の歴史
- 私たちができる感染症対策
を紹介します!
僕も知らないことだらけだから、一緒に学ぼう!
Contents
感染症とは?
ウイルスや細菌などの病原体が、空気や身の周りの環境、人や動物との接触を通して、体内に侵入し数を増やすことを「感染」といい、病原体に感染して起こる病気のことを「感染症」といいます。
誰もが一度はかかったことのある「風邪」は最も一般的な感染症であり、インフルエンザや食中毒、クラミジアも感染症の一種です。
病原体が体内に侵入しても、感染症となるかどうかは、病原体の感染力と個人が持っている体の抵抗力とのバランスで決まります。
風邪も感染症の1つなんだね!
感染症はどうして感染するの?
私たちの体内に病原体が侵入する経路は主に2つあります。
・妊娠中もしくは出産の際に病原体が赤ちゃんに感染する「垂直感染」
・感染源から周囲に広がる「水平感染」
「水平感染」は、病原体の広がり方で4つに分類することができます。
・感染者に直接接触して感染する「接触感染」
・咳やくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込むことにより感染する「飛沫感染」
・空気中を漂う微細な粒子を吸い込むことにより感染する「空気感染」
・汚染された水や食べ物などを通して感染する「媒介物感染」
みなさんが新型コロナウイルス感染症対策でマスクをつけているのは、「飛沫感染」を防止するためなんです。
感染症は気づかないうちにかかるから、できる対策はしていきたいね!
感染症を分類すると…
感染症は、
・感染力や感染した場合の深刻さに基づいた危険性
・感染経路
などを踏まえて大きく5つに分類することができます。
一類感染症
感染力や感染した場合の深刻さなどに基づいて、総合的観点からみた危険性が極めて高い感染症。
エボラ出血熱やペストが一類感染症に分類されます。
感染力がとても強く危険な状態になりやすいので、感染した場合は原則入院となります。
二類感染症
感染力や感染した場合の深刻さなどに基づいて、総合的観点からみた危険性が高い感染症。
結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)などが二類感染症に分類されます。
一類感染症ほどではありませんが、大変危険性の高い感染症です。
三類感染症
感染力や感染した場合の深刻さなどに基づいて、総合的観点からみた危険性が高くはないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を起こしうる感染症。
コレラや腸管出血性大腸菌感染症などが三類感染症に分類されます。
四類感染症
人から人への感染はほとんどなく、動物や飲食物などを介して人に感染し、私たちの健康に影響を与えるおそれのある感染症。
狂犬病や鳥インフルエンザ、マラリアなどが4類感染症に分類されます。
五類感染症
国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって発生・拡大を防止すべき感染症。
インフルエンザやウイルス性肺炎が五類感染症に分類されます。
感染症ってこんなにあるんだね…
感染症の歴史
現在、新型コロナウイルス感染症が地球規模で感染が広がっており、人々の暮らしや社会が変わりつつありますが、人類ははるか昔から感染症に立ち向かってきました。
感染症の歴史を語る上で外せない感染症が3つあります。
天然痘
人類は紀元前から感染症と戦っており、エジプトのミイラに天然痘の痕跡が見られています。
天然痘は1980年に根絶宣言されていますが、それまでは感染力と致死率の高さから世界中の人々を苦しめてきました。日本でも6世紀頃から周期的に流行していた感染症です。
ペスト(黒死病)
ペストは、いくつか種類があり、突然の高熱や筋肉痛を引き起こす腺ペスト、四肢の壊死や紫斑をきたす敗血症型ペスト、肺炎症状を引き起こす肺ペストがあります。
敗血症型ペストが全身に紫斑ができることから、ペストは別名「黒死病」と言われています。
14世紀のヨーロッパでは、全人口の4分の1から3分の1の人がペストによって死亡しました。
インフルエンザ
インフルエンザは、はるか昔からある感染症ですが、1918年から1919年にスペインで大流行してから世界中で猛威を奮っていました
今では治療薬で症状を抑えることができますが、感染症対策が整っていない当時では猛威を振るい、多くの人が死亡しました。ワクチンの登場で感染者や死亡数は大きく減りましたが、新型のインフルエンザも何度か出現し、私たちを苦しめています。
現在では、感染症対策が確立し、病気に対する治療法も多いので私たちは過度に感染症に怯えることはなくなりました。
しかし、地球温暖化や気候変動問題によって感染症が増えるといわれています。
また、衛生面が整っていない地域では感染症が発現しやすくなっています。そのため、気候変動対策や衛生対策が組み込まれているSDGsの達成が必要なのです。
感染症対策で私たちにできること
感染症は誰でも発症しうるものですが、しっかりと対策を行うことで感染確率を十分に減らすことができます。今回は誰でもできる3つの対策を紹介させていただきます。
咳エチケットを守る
咳エチケットで重要な点は以下の3つになります。自分への対策だけではなく、相手に感染させないために気をつけましょう。
・マスクは隙間がないように装着
鼻と口が確実にマスクで隠れるように装着します。
・マスクがないときは口と鼻を覆う
食事などのマスクを外している際に、咳やくしゃみが出てしまうときは、ティッシュやハンカチで口や鼻を覆うようにしましょう。
・とっさの時は周りの人に飛沫が飛ばないように
くしゃみや咳は自分が意図していなくて勝手に出てしまうことはよくあります。その際は、人がいないところに顔を逸らす、袖や手で飛沫を防ぐなど、周りに飛沫が飛ばないように。また、手で防いだ場合は、他の場所にウイルスをまき散らさないように手洗いやアルコール消毒を行いましょう。
手洗いをしっかりと行う
外出したら手洗いを徹底しましょう。手は様々なところに触れるので病原体がついている可能性が高い部分です。手洗いをしないで、手が口や鼻に触れると病原体が体内に侵入してしまいます。
手洗いをするときは以下の3つに気を付けて行いましょう!
・爪を短く整える
爪が長いと爪の間に汚れが残ってしまいます。
・洗い残しがないように丁寧に洗う
手のひらだけでなく指と指の間や手の甲、手首なども入念に洗うことで病原体が体内に入ることを防ぐことができます。
・清潔なタオルでよくふき取る
手洗いの後、服などで拭いてしまうと病原体が付着する可能性があります。常に清潔なタオルやハンカチを持ち歩くことも大切です。
食事の仕方で免疫力を高める
免疫力が低下していると、感染症にかかりやすく、感染時の悪化リスクも高まります。免疫力を高めるためには、腸内環境を整えることが大切です。
免疫力を高めるために以下の3つの食品を積極的に摂取しましょう!
・タンパク質を含む食品
タンパク質はエネルギーをつくる栄養素の1つですが、免疫に関わる成分としての役割を持っています。卵・大豆製品、肉にタンパク質が多く含まれています。
・善玉菌を含む食品
善玉菌は、腸の動きを活発にし、免疫細胞を活性化することができるため、病原菌による感染を予防する働きがあります。ヨーグルトや発酵食品に善玉菌が多く含まれています。
・食物繊維やオリゴ糖を含む食品
食物繊維やオリゴ糖は、善玉菌を増やす役割を持っています。野菜や果物に食品繊維やオリゴ糖が多く含まれています。
今回紹介した免疫力を高める食品を摂取することは大切ですが、バランスの良い食事をすることで丈夫な体つくりにつながります。
対策を行えば、自分だけでなく、周りの人の感染リスクも下げられるね!
感染症の予防対策をして、みんなの健康を守ろう!
今回は、感染症の基礎や感染症の歴史、私たちができる感染症対策を紹介しました。
現在感染が脅かされている新型コロナウイルス感染症も、私たちができる感染対策で十分に防ぐこともできます。
そして、自分が感染症にかからないことはもちろん大切ですが、周りの人に移さないようにすることで感染拡大を防げます。
みなさんの一人一人の意識が感染症予防・感染拡大防止につながるので、自分の行動を見直してみてください。
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