かつて、世界では結婚したら夫婦で同じ姓を名乗るのが当たり前でした。
しかし、現在、結婚に伴う姓の変更は決して当たり前ではなくなってきています。
日本においても、「選択的夫婦別姓制度」の導入が強く叫ばれていますが、そもそもどんな制度なのか正しく知らないという人もいるのではないかと思います。
今回は、選択的夫婦別姓制度について、そのメリットデメリットや海外での現状を紹介します!
Contents
選択的夫婦別姓制度とは?
選択的夫婦別姓制度とは,夫婦は同じ姓を名乗るという現在の制度に加えて,希望する夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の姓を名乗ることを認めるという制度です。
注意すべきなのは、すべての夫婦が別々の姓を名乗らなければならないわけではない、ということです。
「選択的」制度なので、これまでと同じように夫婦が同じ姓を名乗りたい場合はそれで構わないし,夫婦が別々の姓を名乗ることを希望した場合には別々の姓を名乗ることもできるようにしよう、という制度なのです。
なるほど!同じ姓を名乗るのか、違う姓を名乗るのかを、強制ではなく自分達で選択できるものなんだね!
選択的夫婦別姓制度のメリット
選択的夫婦別姓制度のメリット①ジェンダー平等の促進
選択的夫婦別姓制度を導入するメリットの1つとして、「ジェンダー平等の促進」があります。
これまでは結婚したら女性側が姓を変えるのが普通とされていましたが、「女性が合わせるべき」という固定概念がなくなることで、どちらか一方だけが不利益を被る必要がなくなり、ジェンダー平等が促進されると考えられます。
たしかに、女性だけが名前を変えないといけなくなるのは平等とは言えないね。
選択的夫婦別姓制度のメリット②結婚のしやすさ
2つ目のメリットとして、「結婚に対する障壁が下がる」というものがあります。
これまで名乗ってきた姓を別のものへと変えることは、自分の一部を失うという意味で、とても大きな覚悟を必要とします。また、姓を変えるとなると、戸籍・免許証・銀行口座などたくさんの変更手続きが必要になるので、抱える負担も大きくなります。
しかし、結婚に伴い強制的に姓を変えなくてよいとなれば、結婚に対する障壁が下がり、姓の変更を理由にして結婚を遠慮する必要がなくなります。
なるほど!自由に選択できるようになることで、負担が少なくなったり、ジェンダー平等が進んだりするメリットがあるんだね!
選択的夫婦別姓制度のデメリット・問題点
選択的夫婦別姓制度のデメリット①相続や公的サービスを受けられない
選択的夫婦別姓制度の問題点として、相続や公的サービスにおいて法律上デメリットが生じることがあります。
例えば、
- お互いに法定相続人になることができない(=配偶者として遺産を受け取ることができない)
- 所得税の配偶者控除や配偶者特別控除などの優遇が受けられない
- 配偶者が相続・贈与した場合に受けられる相続税・贈与税の各種特例や控除が受けられない
- 夫婦間に代理権がなく、配偶者の代理人として契約することができない
といったデメリットが挙げられます。
今の日本の法律では、別姓の夫婦を「夫婦」として認めることができないんだね…
選択的夫婦別姓制度のデメリット②子どもの姓
もう1つのデメリットとして、「子どもの姓をどうするべきか、選択が難しい」というものがあります。
夫婦に子どもが生まれたとき、夫婦が同姓である場合は子どもも必然的に同じ姓を名乗ることになります。しかし、夫婦が別姓である場合、子どもにどちらの姓を名乗ってもらうのかは大きな論点になります。
また、家族全員が同じ姓でなくなることで夫婦や家族間の「絆」や「一体感」が希薄になる可能性があるというものもあります。個人差はあると思いますが、確かに同じ姓である場合と違う姓である場合とで、感じ方は異なってくるかもしれませんね。
子どもの姓について、既に選択的夫婦別姓制度が導入されている国ではどうしているのかを参考にしてみるといいかもしれませんね。
なるほど!夫婦で違う姓であることによって、新たに考えないといけなくなる事もあるんだね。
選択的夫婦別姓制度における海外の現状
次に、選択的夫婦別姓制度における海外の現状を紹介します。
現在、日本では民法750条で夫婦同姓が規定されており、結婚したら夫婦いずれかの姓に揃えなければいけません。では、他の国ではどうなのでしょうか。
選択的夫婦別姓が認められている主な国として、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどがあります。自己の姓と配偶者の姓を付け加える「結合氏」と呼ばれる姓を採用している国も多くあり、その形は様々です。
また、先進国と呼ばれる国々の中で、日本以外に夫婦同性を義務としている国はないと言われています。このことから、日本の夫婦同姓の義務は、実は世界では珍しいということがわかります。
なるほど!てっきり海外でも夫婦同姓が多いと思っていたけど、むしろ日本は珍しい方なんだね。
選択的夫婦別姓制度問題を解消して、誰もが自分らしく生きられる社会へ
今回の記事では、「選択的夫婦別姓制度」について紹介しました。
ジェンダー平等を推進し、誰もが自分らしく生きられる社会にするために、私たちがまずすべきことは、選択的夫婦別姓制度について正しく知ることだと言えます。
選択的夫婦別姓制度について、しっかりと理解したうえで、今後どうするべきなのかを考えていく必要がありそうです。
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