「ヴィーガン」といった言葉を耳にしたことがありますか?
ヴィーガンとは、動物性の食品・製品を利用しない人のことを指し、近年実践する人が増えてきています。
今回は、自身も実践する「ヴィーガン」の人たちが生きやすくなるようサービスを展開する、株式会社ブイクック代表の工藤柊さんにお話を聞きました。
ヴィーガンとSDGsの関係や、学生起業家である工藤柊さんの考え方から、今すぐ取り組めることを一緒に考えてみましょう。
ヴィーガン!この機会にちゃんと知っておきたい!
Contents
日本初の投稿型ヴィーガンレシピサイト「ブイクック」
改めて「ブイクック」について教えてください!
「ブイクック」は日本初の投稿型ヴィーガンレシピサイトです!ありがたいことに、2019年7月のリリースからこれまでに2200品以上ものヴィーガンレシピが投稿されました。
またInstagramは現在4.8万人にフォローしていただいており、スイーツや大豆ミートなどレシピの種類によって他にも3つのアカウントを運用しています。
- 大人気のレシピを激選!「激選されたヴィーガンレシピ by ブイクック」
- スイーツに特化したレシピを掲載「ヴィーガンスイーツレシピ by ブイクック」
- 話題の大豆ミートを使ったレシピを掲載「大豆ミートのヴィーガンレシピ by ブイクック」
すごい。どの投稿も魅力的…
レシピ投稿サイトを作成するにあたってこだわったポイントなどはありますか?
まず1つは、運営側が発信するだけでなく、ユーザーさん自身が投稿できる場所にしたことです。
また現在ヴィーガンレシピは検索したら出てきますが、いろいろなレシピが集まる場所をつくり、SNSを通した発信によって「検索すらできなかったレシピに出会える」という経験を提供できるようにしたことも、こだわりの1つです!
これだけのレシピがあると、毎日いろんな料理をつくってみたくなるね!
Hello!Veganな社会を食卓から
ブイクックのMissionにある「Hello Vegan!な社会を食卓から。」にはどんな想いが込められているんでしょうか
「Go Vegan!」という有名なキャッチコピーがあるのですが、僕はヴィーガンを実践する人が増えるよう情報発信するよりも、ヴィーガンを選択する人が生きやすい環境をつくる方に取り組みたいと思っています。
「Hello!」だと、なんだか歓迎されてるみたい
僕自身、ヴィーガンをいざ実践しようとするととても大変で。環境や動物、自身の健康のために行動しようとしている人が、「どうして窮屈な思いをしなきゃいけないんだろう」と、環境的にヴィーガンを始められない人、続けにくい人がいる現状にもやもやしていました。
日本だと「ヴィーガン」って言葉に馴染みがない人も多そうだよね。
ヴィーガンにもファッションやライフスタイルなどいろいろな切り口があるのですが、まずは生活する中で絶対に欠かせない「食」の環境から整えていこうと考えました。
「ヴィーガン料理って簡単に作れるんだ」「こんなにいろんなレシピがあるのか」と、食卓から、ヴィーガンを実践しやすい環境をつくるために、これからもサービスを展開していきたいと思っています。
なるほど!だから「食卓から」なんだね。
1食で、9.6km走行時に自動車から排出されるCO2量を抑えられる
漠然と環境問題の解決に繋がるとは知ってるのですが、ヴィーガンを実践することでどのくらい影響があるんでしょうか
実は、1食をヴィーガンに置き換えることで、「水の使用量370L」「自動車の走行距離9.6km分のCO2」「穀物2.2人分のカロリー消費」を削減することができるんです。
1食でそんなに!
そうなんです。ただ、「だからヴィーガンを実践しましょう」というより、「食事を少し変えるだけでも環境問題解決への一歩に繋がる」ということを伝えたいです。
社会貢献の在り方はボランティアや寄付活動などさまざまですが、今日の1食から誰でも社会を少し変えることができます!
なるほど!食事をどう選ぶかも、立派な一歩になるんだね。
「誰もが一歩を踏み出せる社会に」 ブイクックとSDGs
ブイクックの取り組みはSDGsとどのように関係しているのでしょうか。
SDGsの項目にもある「気候変動に具体的な対策を」や「海や陸の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」に対して、「ヴィーガン」の選択は1人1人ができる具体的なアクションの1つです。
ブイクックは、そうしたヴィーガンの選択が簡単にできる環境を整えています。僕がヴィーガンを実践しはじめた理由も環境問題や動物倫理と紐づいているので、こうしてSDGsとも結びついた活動ができていることにやりがいを感じています!
素敵…!ブイクックはSDGsへの一歩を踏み出しやすい社会をつくろうとしているんだね。
1人が変えられる部分は少ない、だからこそみんなで
工藤さんは、SDGsについてどのように考えていますか。
自分たちが暮らしていく環境を守るためにも、これから生まれて大人になる子どもたちに胸を張って社会を繋いでいくためにも、SDGsは特にキャッチーでわかりやすくありながら、大切なポイントを抑えられている目標だと思っています。
僕たちは、あと70年、80年も生きていく必要がある世代。もう昔のように「北極がやばい」「シロクマがかわいそう」というレベルの話ではなくなってきていると思っています。
シロクマのためではなく、僕たちの問題なんだね。
SDGsのための行動は、決して「誰かのため」というものだけではないと思います。もっと多くの人が自分たちの問題だと捉えられれば、課題やそれに向けた行動に対する見方も変わってくるのではないかと思っています。
例えば、もしこのまま地球温暖化が悪化すれば、海面上昇や熱中症対策のために海開きや夏祭りは楽しめなくなるかもしれません。自分たちが楽しんできたものを、未来の子どもたちが楽しめなくなるのも嫌ですよね。
当たり前に楽しんでいたものが、できなくなるかもしれない… それは嫌だ…!
だからこそ、表面上だけではなく、将来世代に責任を持ち、徹底してその姿勢を貫いていきたいと思っていて。
と同時に、人によって行動の影響力の大小は違っても、根底にある気持ちが大事だとも思っています。例えばヴィーガンに関しても、「毎日毎食ヴィーガン」「家で食べるときだけヴィーガン」など行動の移し方は人それぞれですが、重要なのは頻度ではなく「環境や未来のためを思っているか」だと思っていて。
環境や未来を思う気持ちはみんな同じだもんね。
小さな一歩もみんなで認めていけたらいいなと思います。自分の影響力の小ささに悲観する必要はないし、そもそも1人が変えられる部分は少なく、それは当たり前のことで。
だからこそ僕も、ブイクックを通して多くの人が一歩を踏み出しやすい仕組みをつくることで、1人では変えられなかった現状をみんなで変えていきたいと思っています。
SDGsも、みんなで少しずつ達成に向けて進めていけたらいいな。
複雑さや矛盾が、何も行動しない理由にはならない
活動するなかで抱く葛藤などはありますか?
葛藤の連続です(笑)現在の世界をつくってきた大人や、社会を動かしている会社に対して何も思わないことはありません。
ただ、反対意見を主張することはできても、これまでのことを今の価値観で批判ばかりすることはできないなとも思います。
というのも、現在向き合えている課題は、当時の課題が解決されたことで浮き彫りになったり、課題解決した結果新しく生まれた問題だと思うからです。
先人も当時の社会課題に取り組んでいたはずだからこそ、過去の問題を指摘するのではなく、今何ができるかを考え、手遅れがもっと手遅れにならないようにするしかないと思っています。
なるほど… たしかに。
また、自分たちが今信じている言動が、将来何かしら新しい課題を生むことはないと言い切ることはできないと思います。でも、何もしない理由にはならなくて。だからこそ、そうした負のループをうまないような意識は常に持っていたいし、最大限できることはしておきたいとも思っています。
ちなみに、ロールモデルのような方はいるのでしょうか。
コープ(生活協同組合)の父である賀川豊彦を尊敬しています!
賀川豊彦は、社会の格差や矛盾を解決しようと働きかけてきた人で、その行動も根底にある思想もかっこいいんです。ブイクックのサービスを、ユーザーさんと一緒に作っていけるような在り方にしたことも、その考え方を参考にしています。
なるほど。かっこいい…!
ヴィーガンのお惣菜が自宅に届く!「 ブイクックデリ 」
ブイクックのこれからを教えてください!
実は3月1日にリリースをしているのですが、直近だと、ヴィーガンのお惣菜が冷凍状態で宅配されるサービス「ブイクックデリ」を展開する予定です!
これまではレシピ投稿サイトを通してレシピの蓄積・発信をしてきましたが、ブイクックデリは食事が配達されるため、料理をする手間もなくヴィーガン料理を生活に取り入れることができます!
忙しいひとにも、料理に苦手意識があるひとにも嬉しいサービスだね!
お弁当は6個セットで届き、その頻度などは自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。1食からでも、楽しく手軽にヴィーガン料理を取り入れてもらえたら嬉しいです!
注文したくなってきた!どうしたらいいの?
ブイクックデリは、ECサイトから誰でも登録することができます。全国へ宅配できるので、ぜひお近くにヴィーガンのお店がない方にも使っていただけると嬉しいです。
工藤柊(くどうしゅう)
株式会社ブイクック代表取締役CEO。高校3年生からヴィーガンを実践し、現在はヴィーガン起業家としてヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」やヴィーガン惣菜のサブスク「ブイクックデリ」を運営。他にも、レシピ本『世界一簡単なヴィーガンレシピ』の出版、食品メーカー等へのマーケティング支援などを手掛ける。誰もがヴィーガンを選択できる環境をつくるために活動。神戸大学4年(休学中)。