夏場にする生ごみの匂いに不快な思いをしたことはありませんか?
毎週2回、袋に包んで捨てる手間もかかる生ごみで、その暮らしは今となっては日本の”当たり前”となっています。
しかし、生ごみを燃やすためには多くのエネルギーが必要で、CO2排出の原因にもなっているそうです。
今回は、最近話題の「コンポスト」について、LFCコンポストの開発・製造・販売をするローカルフードサイクリング株式会社に、新卒入社した大企業を1年足らずでやめ転職をされた、篠原七子さんにお聞きしました。

この記事は、コンポストに興味がある人やこれからSDGs関連の職に就きたいと考えている学生のみなさんにおすすめだよ!
Contents
コンポストとは


コンポストにもいくつか種類がありますが、共通している点は「生ごみや落ち葉、海藻などの有機物を微生物の力を使って堆肥にする」ということです。
LFCコンポストは自然の微生物の力を借りて、家庭で出る生ごみを分解し、土の栄養として使える状態にします。
LFCコンポストの使用イメージ。


今でも畑を持っている人はコンポストを作らなくても、そのまま土に埋めている人もいます。

そこで、都市でも簡単に生ごみを堆肥化し、次の命の栄養に変えられるコンポストを提供しているのが私たちLFCです。
コンポストって、今まで燃やして捨てていたものを活かすことができるんだね。

コンポストって何がいいの?



まずは、土に触れる楽しさを都会のコンクリートの中で感じられるのは、癒し効果になります。
さらに、微生物に生ごみを食べさせる感覚が生まれて、毎日の食事のルーティンの中に楽しさが一つ加わりますよ。
LFCコンポストのセットが入った段ボールを目を輝かせて見つめる篠原さん。


まず私生活では、生ごみの匂いが消えたり、ゴミを出す回数が格段に減ったりすることは大きな変化だと思います。
また、生ごみの90%は水分で、焼却処分するためには多くのエネルギーが必要になります。
本来は栄養として土に戻るはずの生ごみを、お金をかけて燃やして捨てていることは、誰も幸せじゃない仕組みだと感じています。


コンポストを使って生ごみを堆肥にすることは、これらの課題の解決にも繋がります。
SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」やゴール13「気候変動に具体的な対策を」、ゴール15「陸の豊かさも守ろう」にもつながりそうだね!

初心者でもスタイリッシュに環境に良いことを。


お客様からは、「環境に良いことがしたいけど、何したら良いかわからなかった。」など、嬉しい声をたくさんいただいています。

また、LFCコンポストは見た目のおしゃれさが大きなポイントで、「スタイリッシュに環境に良いことをしたい」という方に愛用されています。
LFCコンポストの、虫を防ぐファスナー付きバッグ。
ただ、コンポストに触れたこともない初心者でも、ちゃんと使えるのかは気になります。


実際にLFCコンポスト購入者の9割が、コンポスト初心者の人です。
ただ、疑問や不安もあると思います。
そこで、LINEで熟練のコンポストアドバイザーに質問できるサポート体制をとっていて、コンポストの研究をしている専門家の方の知識で裏付けされた内容からアドバイスをしているので、安心して始めらていただけます。


コンポストに生ごみを加えられない時期があっても、加えられるタイミングでまた再開すれば問題ありません。
私自身、一人暮らしで生ごみが少ないですが、自分のペースに合わせて続けられています。
誰でも気軽に始められるのは素敵だね。僕も困ったらLINEで相談に乗ってもらおうかな。

価格がハードルにはしたくなかった。


定期便は、初回2,980円で専用のバッグや基材、コンセプトブックなどが届きます。
2回目以降は、コンポスト基材や専用紙袋などを継続的にお届けしています。



例えば、専用バッグは国内のペットボトルごみをリサイクルした生地を作ったものです。
ビジネス的な視点から見れば、薄利なモデルになっています。
ただ、コンポストのハードルを下げるためには、今の価格が適正ではないかと考えています。難しいところですが。


一度使ってその快適さを知って、継続してもらうことがLFCコンポストでは一番重要なので、価格がハードルになって取り組めない状況にはなるべくしたくないですね。
気軽に手にとれることは素敵だね!

新卒入社1年でコンポストのスタートアップに転職。
篠原さんはどういった経緯でLFCに就職することになったんですか?


今の代表(代表取締役:たいら由以子)との出会いは、前職でたまたま福岡県に配属されたことが理由です。
大学時代からエシカル消費やフェアトレードなどに関心があり、それを知っていた知人が「福岡でこういう活動しているよ」と、LFCの代表 を紹介してくれました。
篠原さんとたいらさんが初めて出会った日の写真(2019年9月28日)

LFCコンポストをリリースする前の時期から、定期的に時間を作ってもらい、商品デザインや事業計画などの話を聞いているうちに、学生時代からやりたかった領域に近いコンポスト事業に魅力を感じている自分に気づきました。

そのギャップに耐えられなくなった、と言うとネガティブに聞こえますが、今このタイミングで参画したい気持ちが大きくなって、抑えきれませんでしたね。
自分が実現したい世界に近づけるために、この事業の成長のために自分の時間や能力を使うことが自分の生き方としてしっくりきたんです。
新卒入社して1年経たずに転職したということですが、葛藤はなかったんですか?


当たり前ですが、前職には尊敬できる人や自分より能力が高い人はたくさんいたので。
ただ、お客さんの層や業界の構造も全く違うローカルフードサイクリング株式会社にいずれ入る場合、今この会社で何が身に付けられるんだろうかと考ると、その時の自分には思い浮かばなかったんです。
前職時代、一番になった気分を味わっている篠原さん。


遅かれ早かれ悩むのであれば、せっかく声をかけてもらった今転職してしまえ、と決意しました。

LFCがたくさんの人を雇えるくらい大きくなれば、自然と調和した暮らしをつくる人たちがちゃんとそれを仕事として暮らしていける。
LFCで働くことが自分のビジョンと合致したというのが、何よりの理由です。
自然と調和する暮らしって素敵だね。それをつくる人が経済的にも豊かになることもとても大切だね。

スタートアップのカオス状態を整理する。


スタートアップはビジョンや実現したい未来は描いていますが、それに向かう足場が整っていないことがほとんどです。
私のモチベーションは、その足場を整えていくことにあります。

そうして、ある程度は誰でも回していけるような仕組みを作ることに面白さを感じています。
入社後すぐの篠原さんとLFC代表たいらさんのツーショット。
それは、何が面白いんですか…?


私は別にオペレーションの効率化オタクではないんです。
ただ、代表たいらと出会って、「代表が目指している社会をつくるために、自分には何ができるだろうか?」と考えました。

つまり、つくりたい世界観を実現するために自分の能力や時間が使われていればそれで良い。今はそれが「オペレーションを効率化する」ことだったということです。


それでも、「未経験だから」を理由にして一歩踏み出さないと、多分ずっと何もないままです。
どこかで未熟なところに苦しみながら勉強して身につけていく期間が必要になると思っています。
私は、それは若いうちにやっておきたいと思って、この時期にLFCを選びました。
なるほど!
スタートアップといっても、色々な仕事があるんだね。

SDGsについてどう考えてる?
篠原さんはSDGsについてどう考えられていますか?


高校で文理、大学で経済学や農学などの専門を選ぶように、関心分野をSDGsから選びやすくなって良いと思います。
それに、SDGsの各目標やさらに細かい基準が設定されていることで、会社の評価がしやすくなります。
ちゃんと取り組んでいる会社が評価される仕組みになってほしいと思っています。
SDGsについてはこの記事で詳しく紹介しているよ!

大学時代、カンボジアで国際協力の活動に参加した篠原さん。

「SDGsにカテゴライズされているから」というよりも、「こんな未来をみてみたい」「自分の力を使いたい」と思える領域を選んでほしいです。
その結果SDGsに区分されることであれば、それはそれでいい、くらいのスタンスで考えればいいと思っています。
やりたいことあったら、周囲を頼ってやってみたら良い。


近年、環境問題などの社会課題をまっすぐに謳っている会社が少しずつ増えてきています。
これは本当にありがたい環境だと思います。

やりたいことがあるならやったら良いと思います!
靴を脱ぎ、笑顔の篠原さん。


「何かわからないけど、何かしたい!」という時期は私もありました。
学生時代、国際協力や経済の仕組みを勉強する中で漠然と「お金」が嫌になった時期があって、ほとんど話したこともない人の店に突然おしかけて泣きながら相談するような、今考えたら迷惑極まりないこともしてきました。

「何かする」=「仕事にする」ではなく、イベント参加や人に会うなど、まずは今日明日にでもできることからやってみるのが良いと思います。
それではフードロスや資源の循環などに関心がある人は、篠原さんやLFCに連絡しても良いんですか?


インターンで入ってもらうのも良いですが、梱包や出荷の業務とかになってしまうので大変だと思いますが…。
いいけど、本当にいいの?とこっちがなります(笑)
もし出荷作業メインで良ければ、お待ちしています!
とりあえず、何か協力できることがあれば連絡ください。

自分でやってみて体感したことぜひ連絡してもらえたら嬉しいです!
篠原さんやLFCコンポストに興味がある方はぜひ連絡してみてください。

コンポストについてや、篠原さんの転職の経緯について知れてとても勉強になったね。
都会でも簡単に生ごみという資源を循環させられるコンポスト。みんなも試してみてね。

ローカルフードサイクリング株式会社 篠原七子(25)
京都大学を卒業後、パナソニックへ入社。福岡配属を機に代表のたいらと出会い、学生時代から関心のあったエシカル消費などのビジョンと合致し入社1年でローカルフードサイクリング株式会社へ転職。3歳から始めたテニスでは、中学で全日本出場。最近はウイスキーにハマり、一人でbarに通っている。決断をテーマにしたメディア「なぜ、その道が選べたのか。」運営中。