水不足の原因とは?私たちにできる対策を考えよう

1日に自分がどのくらいの水を利用しているか、考えたことはありますか?国土交通省の統計によると、1日に1人あたりおよそ300L近くの水が使われています。

しかし地球上の水資源には限りがあり、飲み水として利用できる水は全体の0.01%にも満たないのです。水不足が進み、枯渇してしまうと、水を必要として生きている生物はすべて絶滅してしまいます。

この記事では、水不足問題がなぜ発生してしまうのか、その原因を3つに分けて解説しています。原因を理解し、私たちが生活の中で意識できることを一緒に考えていきましょう。

参考:国土交通省

水不足の原因①人口増加と産業発展

1つ目の原因は、「水の使用量が増えていること」です。その根底には人口増加産業発展があります。水は限りある資源であるため、使用する量が増えれば増えるほど、不足は深刻になっていきます。

人口増加

国連の統計によると、世界の総人口は2015年から2050年にかけて、約73億人から97億人に増加すると予測されています。人口が増えるほど水の使用量は増え、水の需要量に対して不足の事態は悪化していく一方となるのです。

産業発展

水は工業や農業にも利用されています。また産業発展に伴う生活レベルの向上により、生活に必要な水の量も増えてきています。そうして使用された水は工業排水や生活排水として流出し、河川や海、地下水の汚染にもつながっているのです。限りある水資源が汚染されると、使用できる水はさらに少なくなっていきます。

参考:国土交通省

なるほどくん
なるほどくん

このまま使用量が増え続ければ、どんどん水がなくなってしまう…!

水不足の原因②気候変動

2つ目の原因は「水を効率よく使えていないこと」です。地球上に水があっても、必要な時に必要な場所へ分配されていなければ、世界の水不足を解決することはできません。

しかし実際のところ、水の利用可能量は異常気象や降水量の変動などに左右され、とても不安定です。この不安定さを促進しているのが、地球温暖化を原因とする気候変動なのです。

温暖化は降水量だけでなく、雨の強度や頻度も変化させています。そのため、降水パターンの変動はますます激しくなり、季節ごとや月ごとで見ると、水不足に悩む地域が出てきやすくなるのです。また雨だけに限らず、気温上昇による積雪の減少や雪解けの早まりは、春夏の水源量を減らしています。

一方、干ばつや洪水などの異常気象は、ある時期における水の枯渇や供給過多のために、水を効率よく利用できないだけでなく、水の汚染にもつながっています。そして地球温暖化へと観点を広げると、大気汚染や酸性雨も水源を汚染しているのです。

なるほどくん
なるほどくん

SDGs13で掲げられている気候変動の問題が、水不足にも関係していたなんて!

SDGs 13「気候変動に具体的な対策を」

水不足の原因③水源の破壊や汚染

3つめの原因は「水源が守られていないこと」です。

都市化による水源の破壊

都市化による乱開発などが進むことによって、水田が消失したり、森林伐採によって水を蓄積していた森も減少したりするなど、水源が破壊されています。

排水による水源の汚染

上述でも紹介したように、人間が排出した生活排水や工業排水は河川や海、地下水へと流出され、使えるはずだった水をどんどん汚染しています。

日本には浄水処理が存在しますが、世界にはそうしたインフラが整っていない地域も多く、一度汚染された水は汚染されたまま使用せざるを得なくなり、安全で綺麗な水は不足していく一方なのです。

なるほどくん
なるほどくん

たくさん使って、たくさん汚して、これだと使える水はなくなる一方だ…

水不足問題を解決するために私たちにできること

今もなお、世界では水不足に苦しみ、日々安全な水を得られない人がたくさんいます。

上記に挙げた水不足の原因に対して私たちができることは、「水の使用量を減らすこと」「水を効率よく使うこと」「水源を守ること」です。つまり、生活における水の利用方法を改めて見直し、生活排水を減らすことが大切です。

水の利用方法を見直し「節水」を心がける

料理、歯磨き、食器洗い、トイレ、お風呂、洗濯。生活のあらゆるところで使用する水を、最低限に抑え、節水を心がけましょう。流しっぱなしは絶対にしない、食器洗いや洗顔は水をためて使用する、節水コマを使う、など工夫はたくさんできます。

生活排水の汚れを減らす

シャンプーや洗剤等を使いすぎないこと、汚れのついた食器や調理器具は新聞紙などで拭いてから洗うこと、マヨネーズや油などをそのまま流さないこと、などが考えられます。

なるほどくん
なるほどくん

なるほど!お米のとぎ汁も、植物の水やりに使えそう!

水不足の原因を踏まえて、私たちにできることから対策しよう!

水不足の原因は主に、人口増加や産業発展による「水の使用量増加」、地球温暖化が引き起こす気候変動が「水利用を非効率にしていること」、人間によって「水源が破壊・汚染されていること」が挙げられました。

こうした原因はどれも、私たち1人1人が日々の生活の中で少しずつ意識すれば対策に繋がるものばかりです。すべての人が安全な水を持続的に利用できるように、できることから始めてみましょう。

なるほどくん
なるほどくん

なるほど!

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▼ 「安全な水とトイレ」って?SDGsゴール6に関するコラムはこちら

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ABOUTこの記事をかいた人

なるほどSDGs 編集長 / ライター スウェーデンでのインターン参加や欧州1人旅など、新しい世界を知る時間や、異文化交流を大切にしています。「なるほどSDGs」が、毎日を大切にできるきっかけになれば嬉しいです。私もなるほどくんと一緒に勉強します!