8億人。
これは日本の人口の約6.5倍です。
今、世界では8億人の人たちが「飢餓」すなわち、十分に食べ物を食べることが出来ず不健康な状態にあります。
この問題を解決しようとしているのが、17個あるSDGs(持続可能な開発目標)の2番目「飢餓をゼロに」です。
この記事では、日本に住んでいる私たちにとって身近に感じづらい「飢餓」という問題について、分かりやすく解説しています。
SDGsをもっと自分事として捉えるきっかけに、ぜひ一度目を通してみて下さい。
8億人!なんとかしないと!
SDGs 2「飢餓をゼロに」とは?
まず「飢餓をゼロに」において、具体的にどのようなゴールがおかれているのか、そしてなぜ飢餓が起きているのか、その仕組みについて理解していきましょう。
「飢餓をゼロに」が目指しているものを大きくまとめると、「安全で栄養のある食料を、安定してすべての人に供給すること」と「投資や技術発展を通して持続可能な農業システムを構築すること」です。
では、なぜ飢餓が起きてしまうのでしょうか。
その理由は大きく3つあります。
なるほど!3つ!
1つ目は「気候の問題」。
農作物や田畑が異常気象や自然災害のよる被害を受けることで、家や仕事などの生活基盤を失ってしまう人がいます。
そうなると、経済的にも物理的にも食糧を手に入れることができなくなるのです。
2つ目は「紛争の問題」です。
戦争中を想像してみると分かりやすいですが、そもそも食料を手に入れることが難しくなります。
3つ目は「貧困の問題」です。
貧しい農民は農業を行うための土地や水、種などを確保する資金がありません。
また食糧が足りない場合、日本は食料を輸入することが出来ますが、発展途上国といった経済的に貧しい国では食料を輸入することが出来ないのです。
なるほど。複雑な問題なんだね。
こうした背景から、「飢餓をゼロに」では「安全で栄養のある食料の安定した供給」と「持続可能な農業システム」を全世界で実現しようとしています。
SDGs 2「飢餓をゼロに」が必要な理由
2020年現在、世界の人口は77億人。そのうちの8億人が飢餓状態に苦しんでいます。
また2050年には世界人口が96億人に上るのと比例して、飢餓人口も20億人になると予想されています。
飢餓に苦しむ人たちが2倍以上にも増えてしまうのです。
2倍…!
またもう1つ、私たちが真剣に受け止めるべき事実があります。
現在、世界では77億人全ての人が健康に生きるのに必要な2倍の量の穀物が生産されています。
しかしそのうち、世界人口の2割である先進国に住む人たちが半分を消費しており、さらに4分の1が牛や豚のエサになっています。
食糧は足りているのに、それが平等に届かないことによって飢餓が起きてしまっているんだね。
さらに日本では、まだ食べられるのに捨てられている食品が年間で600万トンもあります。
この600万トンの食料でどれほどの人を救えるでしょうか。
つまり、安全で栄養のあるものをみんなが食べられるために、このゴールは重要な役割を担っているのです。
SDGs 2「飢餓をゼロに」
この「飢餓をゼロに」に対して、私たちが出来る第一歩としては「食べ物をムダにしない」ことです。
先進国である日本で生活をしていると、「飢餓」は身近に感じるものではないかもしれません。
しかし、その原因を深掘っていくと私たちの生活に直結した問題が現れてきます。
このように、日常で抱くちょっとした疑問や問題意識の多くは何かしらのSDGsに繋がっています。
SDGsについて全部を完璧に理解しようとする必要はありません。自分の興味のあるものから少しずつ調べていきましょう。
なるほど!
「なるほど!SDGsメディア」では、SDGsの各目標が私たちの生活にどのように繋がっているのかを分かりやすく紹介しています。
ぜひSDGsを知る第一歩として活用してみてください。
▼ 世界で飢餓で苦しんでいる人の3分の2はアジアに?飢餓の現状を知ろう!
【参考文献】