オーストラリアでの森林火災によってコアラなどの動物がたくさん死んでしまったのは記憶に新しいでしょう。
今、森をはじめとして、陸の生態系の衰退化が問題となっています。生きているなかで呼吸している空気や飲んでいる水、口にしている食べ物。森や土はその全てを支える、生命の維持に欠かせないものです。
この記事で、SDGs15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」について、世界や日本の現状とともに私たちにできることを探していきましょう。
地球で生活しているのは人間だけではないもんね。
SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」とは?
15番目の「陸の豊かさも守ろう」は14番目の「海の豊かさを守ろう」に続くゴールです。
端的にまとめるとこの目標は「陸の生態系を保護しつつ、持続可能な森林の利用を行うこと」に加えて、「砂漠化や土地の劣化を防止すること」を目指しています。
その具体的な取り組みは主に3つあり、「森林、湿地、山地において生態系の保全を行うこと」「劣化した森林を回復させ、砂漠化の阻止すること」「絶滅危惧種を保護し、密猟をなくすこと」です。
陸の生態系・自然を守るためのゴールなんだね!
また、森や豊かな土壌を必要としているのは人だけではありません。実は、陸に住む動物や昆虫の80%が森林を住処としています。
- 森、川、山といった生物が暮らすにの様々な環境があること(生態系の多様性)
- 人間、動植物から微生物まで様々な種の生物が生息していること(種の多様性)
- 同じ種の中にも形や模様といった違いがあること(遺伝子の多様性)
「陸の豊かさを守ろう」は、この3つの多様性の共存の実現を目指しているのです。
多様性の共存!みんなの陸環境であり続けてほしいよね。
SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」が必要な理由
では、陸の豊かさについて、森・砂漠化・生物多様性の3つのポイントから現在の地球の現状を見てみましょう。
森
地球の陸地の30%が森林に覆われており、地球に住む16億人の人が森林に携わる仕事(木材、燃料、食料、飼料など)をしています。
しかしながら、2010年から2015年の間に300万ヘクタールの森が失われています。これは東京ドーム(およそ4.7ヘクタール)で考えると、5年間のうちに約640個分の森が地球上から消えていっていることになります。
5年間で東京ドーム640個分…!
砂漠化
土地はこれまでにないほど劣化しており、歴史上の30倍ほどのスピードで農地になりうる土地が消失しています。
具体的には砂漠化や干ばつによって、年間で1200万ヘクタールの農地が失われており、1分間で23ヘクタールという速さです。これは、改善に年間で700億ドル~1600億ドルが必要な状況なのです。
そんなスピードで農地がなくなっているんだね…
生物多様性
地球上には175万種類の生き物が暮らしていますが、そのうち2万6000種が絶滅の危機にあります。
今、年間で4万種類の生き物が絶滅しており、これは13分に1種のスピードで、二度と復活することのない生物がいるという現状を意味します。そして、120の国でいまだ7000種の動植物が違法に取引されています。
そんな。
二度と会えない生物がこんなにも増えているなんて…
ここで、国内にも目を向けてみましょう。日本は、国土の7割が森林です。
また、里山の存在を知ってるでしょうか。人間と自然が共存している地域として昔から日本人は里山を大切にしてきました。
しかし近年では、過疎化や高齢化により手入れされず里山が荒廃してしまったり、畑や田んぼだった場所が住宅地にされたりしているのです。
日本でも、森林や里山を守っていかないといけないね。
参考:United Nations , 国際連合広報センター , 環境省
SDGs 15「陸の豊かさも守ろう」
同じ地球に生きる動植物たちと共存していくために私たちに何が出来るでしょうか。まずは自分たちが生きているこの地球の多様性について知りましょう。ネットで調べるも、地域のワークショップに参加するもよしです。
また、ゴミはちゃんとリサイクルに出したり、なるべく地元の食材を消費したりすることも陸の豊かさを守ることに繋がります。私たち1人1人が選択した行動で未来の地球を豊かに保つことができるのです。
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